2020年に総務省統計局の発表した2019年の家計調査報告「貯蓄・負債編」によると
夫婦二人以上の世帯平均貯蓄額は1755万円でした。
毎年1800万前後ですので今年の発表も、さほど変化がなかったようです。
来年の発表はコロナで落ち込むことが予想されます。
ところでこの1755万という数字を見て
と思った人もいると思います。
問題点
問題点①
この総務省の発表、いつも平均値を全面にだしており、中央値をTVや新聞でも言いません。一般市民は中央値を参考にしたほうがいいと言われています。
問題点②
総務省が調査対象としている9000世帯が、よく分からない。
夫婦別、世代別、職業別、都道府県別など統計的に大丈夫なのか。
別の機関の調査では
「金融広報中央委員会」の「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」では
夫婦2人以上世帯の金融資産の平均値は1,139万円、中央値は419万円という結果になっています。
つまり、全国民の平均値や中央値でなく誰も正確な値は把握できていないと言うことです。
とは言え、政府が出している結果です。
平均値と中央値を見ていきましょう。
その前に平均値と中央値の違いを知りましょう。
※そんな事分かるわ!って人は目次で飛ばしてください。
平均値と中央値とは
平均値
データを足して、この総数で割った数値のこと
中央値
データを順に並べて、ちょうど真ん中にくる数値のこと
例から分かりやすく
平均値
1000億もってる、前○社長と100万円の貯金をもっている一般人99人の平均値は
ちょっと、極端ですが一人平均は10億99万円になってしまいます。
中央値
上記の例は極端ですが
平均と中央の大きな違いについて分かっていただけたと思います。
2020年2人以上世代貯蓄額の中央値
それでは気になる夫婦2人以上世帯貯蓄額の中央値を見てみましょう。
貯蓄保有世帯の中央値は1033万円。
貯蓄0の世帯も含めた中央値は967万円。
平均値、中央値を底上げしている要因は
「60歳以上の高齢者世帯」にありそうです。
- 60代以上は1世帯当たりの平均貯蓄在高は2285万円で、平均貯蓄在高が2500万円以上の世帯が32.0%を占めています。
高齢者と若年層の格差の原因は別記事にて書いてます⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎
日本は金融資産の72%は55歳以上が保有しているといわれています。 なぜこのような世代間格差が生まれてしまったのか。 高齢化により次の世代への相続が長期化していたり、そもそも税負担があがっていたり、終身雇用が当たり前であった昔[…]
二人以上全世帯のデータでは
貯蓄額3000万円以上の世帯が17.6%で
平均をかなり底上げしています。
平均値以下の世帯が約3分の2を占めているということです。
格差社会になってきている、というのはデータが本当なら真実かもしれません。
貯蓄額100万円未満の世帯は全世帯で10.7%となっています。
世代別の平均値、中央値の貯蓄額
こちらの情報は「金融広報中央委員会」のデータから引っぱってきてます。
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | |
中央値 | 5万 | 77万 | 50万 | 54万 | 300万 |
平均値 | 106万 | 359万 | 564万 | 926万 | 1335万 |
このようになっています。
40代、50代で平均が上がり中央値が下がるのは「子どもの進学」「氷河期世代」「賃金の頭打ち」などの家庭の状況や世代間格差によるものと推測されます。
60代は退職金などで底上げされていると思います。
まとめ
毎年発表されてはいますが、来年のコロナの影響は避けられそうにないですね。
データを見るときは平均値と中央値に注目しながら見ていきましょう。