高齢化の時代。親を扶養に入れると、どういうメリットやデメリットがあるのか。気になる方もいるのではないでしょうか?
まず結論から言います。
親を扶養に入れるチェックポイント
- 生計を一にしているか
- 親の年収
- 親の年齢
ポイント①の生計を一にしているかは、同居していないとダメなのかという質問が多いですが、必ずしも同居でなくてもOKです。そもそも核家族の時代に土台無理な話です。
生計を共にしている(親に援助している)かがポイントです。
2つの扶養と条件
税法上の扶養
税法上の扶養は納税者からみて6親等以内の血族と3親等以内の姻族のうち、納税者と生計を一にしていて、かつ1年間の所得額の合計が48万円以下である人のことを扶養親族といいます。
※配偶者は扶養親族にはなりません。
また、納税者は扶養の現況により、確定申告で申請、控除措置を受けことが出来ます。
健康保険上の扶養
配偶者や子、孫など3親等以内の親族で、かつ1年間の収入見込み額が130万円未満、60歳以上の場合は180万円未満となります。直系尊属(配偶者や子や孫など)の場合は同居または別居のどちらでも扶養家族と認定されますが、それ以外の親族の場合は同居している場合のみ扶養家族として認められます。
子からの仕送り金額より少ないこと、子の収入金額の半分未満であることなど要件となります。
- 59歳以下は年収130万円未満
- 60歳以上は180万円未満
親が扶養に入るメリット
自分のメリット
所得税、住民税を節税できる
親のメリット
健康保険料が無料になる
所得税、住民税控除
親の年齢が70歳未満だと所得税控除は38万円、住民税控除33万円
70歳以上の同居の場合、所得税控除58万円、住民税控除45万円
別居の場合、所得税控除48万円、住民税控除38万円
【扶養親族】 | 【所得税控除】 | 【住民税控除】 |
一般扶養親族(70未満) | 38万円 | 33万円 |
70以上同居 | 58万円 | 45万円 |
70以上別居 | 48万円 | 38万円 |
親を扶養に入れるデメリット
高額療養費制度を利用する時に払い戻しが少なくなる可能性がある
健康保険制度には自己負担を超えた場合に、超えた金額を払い戻ししてもらえる「高額療養費制度」というものがあります。
親を扶養に入れる場合、扶養する側の子どもの年齢や年収に比例して自己負担額は決まります。
子ども、親の収入の兼ね合いによっては、親自身が被保険者になっている場合よりも高額療養費の自己負担が上がり、払戻金が少なくなってしまう可能性があります。
セルフメディケーション税制なども、うまく活用しましょう。
セルフメディケーション税制とは 全く入院とは無縁のばぁちゃんが、めちゃめちゃ市販薬買ってました。にわかです。 ちょうどいいので、あまり浸透してないセルフメディケーション税制について書いておきます。 セルフメディケ[…]
親を扶養に入れる、外す手続き
親を扶養に入れる、外す手続きは10月、11月に会社が行う「年末調整」の中で行います。
「扶養控除等異動申告書」を提出し、現状の扶養状況がどうなっているかを申立書等で申告します。
サラリーマンじゃない人は、翌年2月、3月の確定申告が扶養状況を国に申告するタイミングです。
前年度の収入に合わせて、扶養状況を報告することで税額が変わってきます。
さいごに
繰り返しになりますが、75歳までは条件を満たす場合、メリットがあります。
親の年齢が75歳を超えて後期高齢者となった時点で扶養から外した方がいいです。または介護状態になる場合も同様です。
親、子それぞれにメリットはありますが、話し合いをしたうえで扶養に入れたほうがいいと思います。