意識や興味の向上は非常にいい事だと思いますが、それに伴う金融トラブルも増加しています。
「国民生活センター」などでも苦情が増えているのが「預金」「貯金」「貯蓄」「投資」「運用」といった言葉のニュアンスによる認識です。
実際によくある例を出してみます。
別におかしくないと思ったら、ブラウザを閉じてください!
どの例も毎日全国で起きている事例です。
アドバイスしている人も、誤認させて契約しようと言っている人もいれば、純粋に伝えようとしている人もいると思います。
預金とは?【おさらい】
なので、金融商品名も「定期預金」「普通預金」「積立預金」など語尾は預金になっているはずです。今は超低金利ですが当時の金利の良かった時代は「預けて金利の恩恵をうける」の「預」がついていると言われています。
日本は金融資産の72%は55歳以上が保有しているといわれています。 なぜこのような世代間格差が生まれてしまったのか。 高齢化により次の世代への相続が長期化していたり、そもそも税負担があがっていたり、終身雇用が当たり前であった昔[…]
貯金とは?
この「貯金」の認識は一般的に「預金」も含みます。銀行も含めて「預貯金」などとも呼ばれます。
家で貯金箱に貯めたり、タンス預金も「貯金」ですが一般的には「現金」でカウントします。基本的には元本保障されたものをいいます。
貯蓄とは?
これが一番トラブルの元になるキーワードです。
貯蓄とは「金融資産」すべてをさします。
しかし、サインをしたほうは、ろくに説明を聞かず貯金(元本保障)と思い込んでサインしてしまいました。
「貯蓄」とは、貯金、預金はもちろん、お金が結果的に損するか増えるかに関わらず貯めていくこと全般をいいます。つまり投資行為も含まれます。
- 普通預金
- 定期預金
- 定額貯金(ゆうちょ銀行)
- 積立預金
- 外貨建て保険
- 終身保険
- 養老保険
- 社債
- 株式投資
- 国債
- 不動産投資
- へそくり
など、あげるとキリがないですが全て貯蓄行為になります。
しかも、トラブルになりやすい時は「緊急時の出金」「ライフプランイベント(結構、出産など)」「満期」など数年から数十年してから気がついたという割合が大半をしめます。
「投資する」「運用する」
投資や運用と言う言葉は「増える」「損をする」と考えがちですが、ようはどこに投資をするか。どこで運用するか。で大きく異なります。
- 預金で運用する→0.001%の運用をしているわけで、ほぼ増えませんが元本割れはしません。
- 投資信託で「アクティブ運用」をする→ベンチマークを上回る運用を目指すわけで増えるか減るかは確定していません。
同じ「運用」という言葉でも、ローリスク・ハイリスク、ローリターン・ハイリターンなど全く商品性が異なります。
誤認しないために
商品説明を聞いたり、見たりする場合は言葉のニュアンスをみるのではなく
- 短期的に必要なお金なのか。
- 長期的にみて必要なお金なのか。
- どういう使い方をするのか。どういうもので運用するのか。
など曖昧にとらえるのではなく全体をとらえてください。
金融中央広報委員会の金融リテラシー調査では「任せっぱなし」「理解していない」という人は約半数にのぼりました。
昨今、よく耳にするようになった「金融リテラシー」とは? 自分の生活を確保するため、最低限身につけておかなければならない、お金に関する情報を自分の力で読み解き、解決する力はありますか?ってことです。 自分が理解できている[…]
さいごに
本当にそれが自分の理想にあった金融商品なのかを見極めることが必要です。
「説明を聞いてない」「無理やりサインさせられた」などは論外です。
判断するのは商品を選びサインを行う自分自身であり、基本的に完全に自己責任になります。
ちなみに最も苦情が増加しているのは「外貨建て」です。