人生100年時代といわれ始めている日本において60代の貯金時事は深刻なものとなっています。
老後2000万円問題も話題になりましたが貯金することに更に関心が高まってきています。
今回は60代をピックアップして中央値や平均値を調査しました。
60代の平均年収は?
国税庁発表の「平成30年分民間給料実態統計調査」によると60代の平均年収は371万円です。
60代の前半では平均年収416万円、男性が537万円、女性が242万円
60代の後半では平均年収326万円、男性が410万円、女性が211万円
という結果になっています。
60代貯金額の中央値と平均値
金融広報中央委員会の令和元年「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯)」によると、二人以上世帯の平均貯蓄額は1139万円、中央値は419万円となっています。
また、金融資産を保有していると回答した人の平均貯蓄額は1537万円、中央値は800万円となっています。
貯金なし、金融資産なし世帯
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、2019年「金融資産非保有」世帯は、60歳代の単身世帯で29.8%、2人以上世帯では60歳代が23.7%、70歳以上は31.1%という調査結果となっています。
収入が減り、貯金を切り崩していくことで60代では2割が、70代では約3割が「資産なし」と答えています。
60代からの年金生活の現状
年金の平均受給額は、厚生年金で約15万円、国民年金で約5万円といわれています。
夫婦が2人が厚生年金を受給していれば約30万円となり、最低限の生活費は確保できますが、ゆとりある生活には手の届かない状況です。
退職金制度自体がない企業も約20%ほどあり、更なる自助努力を求められる時代になりそうです。
2人とも国民年金であれば平均10万円です。最低限の生活を送るのさえ難しいといえます。下流老人や老後破綻というワードは更に一般的になりそうです。
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60代の貯金額の理想は?
理想の貯金額は、住んでいる地域や家族構成、家族状況などで一概にはいえませんが
結論、「どんな老後をおくりたいか」ということです。
遊びに行かない、車もいらない、病院にも行かない方と旅行に行きたい、孫を可愛がりたい、車も買い替えたいなど、いわゆる「ゆとりある生活」をおくりたい方は、もちろんですが、まるで出費が違います。
生命保険文化センターの調査によると、夫婦二人で老後生活をしていく最低限必要額の平均は月に22万円となっています。
ちなみに「ゆとりある老後」を過ごしている方の平均生活費は約35万円となってます。
定年後、20年ゆとりある生活をしたとして
単純計算で35万円×12ヶ月×20年=8400万円
夫婦で貰う、生涯受け取る年金や収入を引いた額がそれぞれの理想額に近づきます。
さいごに
2020年1月より「70歳定年」が企業へ努力義務化されました。更に2021年4月からは「70歳就業確保法」が始まります。
企業への罰則はないので、きちんと機能するかは疑問が残るところではありますが
なんにせよ、人生の大半を働くことになる時代が訪れようとしています。
貯金がない方も、まだまだ貯めるチャンスはあるといえます。