日本政策投資銀行からの1800億円の融資をうけていた日産ですが、この1800億円のうち1300億円に政府保障がついていたことが9月に明らかになりました。相当異例な規模の政府保障です。
政府保障とは?
融資の元本や利子の返済などが困難になった場合、国が支払いや返済を肩代りして、全額あるいは一部を保証することです。
過去の大企業への融資事例
リーマンショック後の2009年に日本航空に約670億円を政府保障付きで融資しています。
2010年に日本航空は経営破綻し、約470億円を国民が負担しています。
日産への政府保障は前回の日本航空を大きく上回っており、史上最多の政府保障となっています。
日産への政府保障の疑問点
TwitterなどSNS上でも多くの声が上がっていましたが疑問なのは、ホンダ、スバル、トヨタなど、数ある自動車メーカーの中でニッサンが大企業なのは分かりますが、公金を投入してまで助けるのは疑問です。
中には「倒産したら失業者がでるだろ!」という方がいるかもしれませんがニッサンは日本航空とは違い、すでに従業員のクビをきりまくっています。
下請け企業などの連鎖倒産を危惧しての政府保障かもしれませんが、コロナ禍以前より経営状態が良くないことを見れば、ただの延命措置にすぎません。
公金を使ってまで助ける場合、事業の公益性が問われます。例えば、日本航空の場合、運輸を担っています、無くなれば間違いなく国民は困ることになります。
日産は無くなれば困ることはありません。
なぜなら代替できる世界に誇る自動車メーカーが日本には沢山あるからです。
日産にしか製造できない特殊な車種などかあれば納得しますが、そんなものはありません。
さらには、カルロス・ゴーンの逮捕、逃亡で企業イメージは地に落ちています。
大企業だけ優遇して公金を投入し、中小企業や国民にだけ自助努力を求めるようでは利権や天下りを疑う国民もでてきてしまいます。
CASE
現在自動車業界は100年に1度の改編期といわれています。
- Connected「接続」
- Autonomous「自動運転」
- Shared&Service「共有」
- Electric「電動化」
アメリカの自動車メーカー「テスラ」はいち早く、技術開発に取り組んでおりトヨタの時価総額をぬきさりました。
日産はカルロス・ゴーン元CEOの指揮の中、技術、開発投資をコスト大幅カットし、短期的な数字の見栄えだけよくなっただけで技術開発に大きな遅れをとっています。
しかし、コストカットしなければ経営改善もできなかったことから延命措置に変わりはなかったのかもしれません。
さいごに
もし、日産が経営破綻してしまうと、雇用問題、株式市場、金融市場は混乱することになると思います。
そして国民が1300億円を負担することになります。
しかし、日本国民としては雇用を守り、技術の日産へ是非立ち直って復活してほしいと心から願います。